おまけの会社員生活

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五十而知天命、もういつ辞めてもOK、おまけの会社員生活に突入しました

選択制DCのデメリットと有利な掛け方

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選択制確定拠出年金は、通常の企業型DCと異なり、会社は掛金を払いません。

従業員は給料の中から任意で掛金を払いますが、任意なので思ったほど加入者が増えない可能性もあります。  

選択制DCは会社の社会保険料をコストダウンできるため、会社はできるだけたくさんの従業員にできるだけ多くの掛金を拠出してもらいたいと考えます。

このため、運用利回りを高く見積もったり、メリットに偏重した説明をするかもしれません。

選択制DCは会社だけでなく、従業員にとってもメリットがある制度だと思いますが、デメリットも知っておくべきだと思います。

また有利な拠出の仕方についても調べてみました。

拠出金と運用益は非課税?

説明では拠出時の掛金と運用時の運用益が非課税の部分を強調するので、ず~っと非課税と勘違いしている人もいるのではないでしょうか。

確かに、拠出時は給与所得に対する所得税がかからないし、運用時は利子所得や配当所得、譲渡所得に対しても所得税がかかりません。

しかし、受け取るときに、元本を含む年金資産全額を元に退職所得(または公的年金等所得)の計算を行うので、しっかり所得税と住民税がかかります。

たとえ元本割れを起こしていてもきっちり税金はかかります。 

(試算例)

22歳で入社して60歳まで満額の33万円の掛金をかけ、32歳で年収が約650万を超えて、所得税率が10%から20%に上がると想定します。所得税率が10%の場合、単年度の節税効果は66,000円、20%に上がると99,000円、38年累計では3,432,000円になります。

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一方、退職時に一時金として受け取ることにした場合、運用益を無視すると元本は1,254万(33万×38年)。会社の退職金が2,060万以上あれば、退職金で退職所得控除枠を使ってしまうので、確定拠出金には退職所得控除が使えず、税負担は1,453,500円です。所得税率が20%にもなるなら一部または全額を年金として受け取って所得税率を下げたほうがいいかもしれません。退職金を企業年金にして受け取るなど、退職所得控除枠がまるまる使える場合は税負担は0円になります。

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上記仮定条件での節税効果額は、1,978,500円~3,432,000円となります。

 

結局、拠出金と運用益はずっと非課税というわけではなく、拠出時と運用時は課税されずに受取時まで課税が繰り延べされるが、(一時金で貰えば)給与所得より有利な退職所得として課税されると言うことです。 

社会保険料が安くなる?

社会保険料が安くなるというのも選択制DCのウリの一つとして言われますが、社会保険料の中の厚生年金掛金が減ることで将来の年金の受給額が減ってしまいます。

どのくらい減ってしまうのか、本来は等級変更による標準報酬月額の増減から影響額を求めるべきですが、簡便的に掛金自体を用いて試算してみます。

 

社会保険料の料率を仮に14%として、年にX万円の拠出金をN年間かけ続けた場合の社会保険料のトータルの削減額は

  X万円 × 14% × N年間 ・・・①

一方、X万円をn年間かけ続けた場合、厚生年金の1年あたり減額幅は

  X万円 × 0.005481(給付乗率)× N年間 ・・・②

①を②で割ると、25.5が導きだされます。 

このことから、約25年年金を受給すれば、社会保険料減(メリット)は年金受給額減(デメリット)と相殺され、25年を超えると年金受給額減の方が多くなります。

65歳から年金を受給して、25年と言えば90歳です。

日本人男性の平均年齢は81歳なので9年分得をしますが、女性は87歳なので3年分しか得になりません。

社会保険料は安くなるけれど、男性は効果の9/25、女性は効果のほとんどが将来の年金給付減により相殺されてしまうと言えます。  

 

賞与と給与のどちらから拠出するか

基本的には賞与から拠出する方が得

賞与から拠出しても給与から拠出しても所得税・住民税の節税額は同じですが、社会保険料の軽減額は変わります。

賞与の場合、実支給額から千円未満を切り捨てた額が標準賞与額となって社会保険料が決まるので、拠出額に保険料率をかけた金額がほぼ軽減額になります。

一方、給与の場合は、実支給額ではなく、50等級に分けた標準報酬月額を元に保険料を計算しますので、拠出前と拠出後が同じ等級なら軽減額はゼロになります。

例えば、拠出前の報酬月額が51万円で2万円拠出して報酬月額が49万円になった場合、標準報酬月額は拠出前も拠出後も同じ30等級の50万円なので、(雇用保険以外の)社会保険料は軽減されません。

標準報酬 報酬月額
等級 月額
29 470,000 455,000 ~ 485,000
30 500,000 485,000 ~ 515,000
31 530,000 515,000 ~ 545,000

給与から拠出すると、標準報酬等級が変わらない可能性があるので、賞与から拠出する方が確実に軽減効果を享受できます。

給与から拠出する場合、少額の拠出でも拠出前と拠出後の等級が変わって、拠出額以上の軽減額になる可能性もありますが。

賞与から出すと得にならないケース

拠出後の1回の賞与が150万円を超える場合、厚生年金保険料(9.15%)の軽減効果はありません。

150万円が上限で150万を超えている場合は150万円で計算するからです。

給与から拠出して、拠出後の標準報酬月額が62万円の場合も同様です。

1回の賞与が150万円以上で、標準報酬月額は62万円以下なら、給与から拠出した方が得をする可能性が高いです。

反対に、標準報酬月額は62万円で、1回の賞与は150万円以下なら、賞与から拠出した方が必ず得をします

1回の賞与が150万以上、標準報酬月額が62万なら、どちらから拠出しても同じです。

失業保険の計算

さらに、失業保険の計算は辞める前の直近6ヶ月の給料から求めますが、賞与は含みません。

ということは、給与から拠出していると失業保険が減る可能性がありますが、賞与から拠出している場合は影響をうけません。

近々会社を辞めようと思っているなら、賞与から拠出した方が絶対に有利です。

 

早期退職時の扱い

60歳までに早期退職する場合、今まで積み立てた金融商品をいったん全て解約した上で、個人型確定拠出年金金融商品に移行することになります。

従って、数年後に早期退職を考えているなら、解約時に売却手数料がかかるような金融商品は避けたほうがいいと思います。

私は会社に選択制DCが導入されることが分かっていたので、個人型確定拠出年金は全額定期預金にしています。

会社で選択制DCに加入する時も、数年後に早期退職する予定なので、全額1年定期預金に拠出するつもりです。

 

いろいろ書いてみたものの・・・

確定拠出年金に加入する際は、メリットだけでなく、デメリットも理解した上で加入すべきだと思います。

とは言っても、税金や社会保険料の計算はややこしいし、所得や受取方法などによって個々人で税計算も違うので、全ての従業員が理解できるように説明するのは大変です。

やはり、金融リテラシーの欠片もない従業員には、『掛金も運用益も非課税で社会保険料も安くなるよ!』とワンフレーズで説明するのがいいかもしれません (-ω-)/
 

zhizuchangle.hatenablog.com

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