15日の日経平均株価の終値は、1990年8月2日以来約30年半ぶりに3万円の大台(30,084円15銭)にのせた。
日経平均株価の史上最高値は、1989年12月29日の東証大納会で記録した38,957円44銭(同日終値38,915円87銭)である。
当時は、世界時価総額ランキングで、上位50社中32社を日本企業が占めていて、1位から5位まで日本企業が独占していた。
正に日本経済が頂点を極めていた時代と言ってもいい。
一方、2021年現在では、昨年はランクインしていたトヨタも消えて、上位50社に日本企業は1社も入っていない。
だから日経平均が30年ぶりに3万円台になったといっても、もはや世界に誇る経済大国でも技術大国でもなく、相対的にはどんどん貧しくなっていると思う。
昨日、偶然、1989年の日本企業の時価総額ランキングを調べていた。
下の表は、1989年に日本の時価総額ランキング100位以内、かつ2021年現在*1も100位以内の企業である。
当時と証券コードが同じ企業で引っ張ってきたので、持株会社化などで證券コードが変わってしまった銀行などは入っていない。
1989年当時も2021年現在も100位以内に入っている企業は28社しかない。
100位以内をキープしていても、当時の時価総額に達していない企業は8社ある。
また時価総額が増えていてもソニーのように一時は超絶不振に陥って度重なるリストラを繰り返した企業もある。
そういえば当時は「多角化」がトレンドじゃなかったっけ。
しばらく前は「本業回帰」とか「選択と集中」がトレンドだったし、結局何が正しいのかよくわからない。
証券 コード |
会社名 | 1989年 | 2021年 | 増減 | ||
順位 | 兆円 | 順位 | 2021年 | |||
9432 | 日本電信電話 | 1 | 21.53 | 5 | 10.94 | 51% |
7203 | トヨタ自動車 | 8 | 7.65 | 1 | 27.45 | 359% |
8604 | 野村ホールディングス | 10 | 6.19 | 78 | 2.08 | 34% |
6501 | 日立製作所 | 13 | 4.77 | 28 | 4.73 | 99% |
6752 | パナソニック | 15 | 4.65 | 39 | 3.61 | 78% |
6502 | 東芝 | 18 | 3.86 | 94 | 1.66 | 43% |
7201 | 日産自動車 | 23 | 3.40 | 59 | 2.65 | 78% |
6701 | 日本電気 | 28 | 3.00 | 88 | 1.71 | 57% |
8802 | 三菱地所 | 29 | 2.98 | 61 | 2.57 | 86% |
6702 | 富士通 | 32 | 2.80 | 44 | 3.32 | 119% |
6758 | ソニー | 35 | 2.76 | 3 | 14.94 | 541% |
8058 | 三菱商事 | 37 | 2.69 | 31 | 4.24 | 158% |
6503 | 三菱電機 | 45 | 2.35 | 38 | 3.65 | 155% |
8801 | 三井不動産 | 49 | 2.15 | 68 | 2.34 | 109% |
4502 | 武田薬品工業 | 54 | 1.99 | 21 | 5.81 | 292% |
2503 | キリンホールディングス | 56 | 1.98 | 79 | 2.03 | 103% |
6954 | ファナック | 57 | 1.96 | 22 | 5.66 | 289% |
4901 | 富士フイルムホールディングス | 60 | 1.90 | 46 | 3.29 | 173% |
7974 | 任天堂 | 61 | 1.86 | 8 | 8.73 | 469% |
6902 | デンソー | 66 | 1.77 | 23 | 5.49 | 310% |
7267 | 本田技研工業 | 72 | 1.70 | 24 | 5.47 | 322% |
8031 | 三井物産 | 73 | 1.66 | 42 | 3.45 | 208% |
6326 | クボタ | 74 | 1.63 | 52 | 3.09 | 190% |
3407 | 旭化成 | 78 | 1.59 | 95 | 1.65 | 104% |
8053 | 住友商事 | 80 | 1.58 | 84 | 1.86 | 118% |
8001 | 伊藤忠商事 | 82 | 1.55 | 26 | 4.94 | 319% |
5108 | ブリヂストン | 99 | 1.26 | 51 | 3.15 | 250% |
1989年は、私がちょうどリクルート活動をしていた時期でもある。
当時は終身雇用が当たり前、中途採用なんてほとんどない時代だったので、いったん入社したらその会社と運命共同体だった。
いい会社に入ることがその後の人生を概ね決定づけたといってもいい。
ただ、上の表を見てもわかるように、当時、優良企業だと思って入った会社が30年後も優良企業であり続けていたとは限らない。
日本経済全体にとって企業の新陳代謝はよいことでも、その企業で働く従業員にとっては死活問題である。
そう考えると、バブルのおかげで自分の実力には不相応な会社に入れて、在職中はリストラらしいリストラもなく、毎日定時退社で有給フル消化の当たりくじを引いた私はラッキーだったとつくづく思う (-ω-)/
四回生の初夏だっけ、たまたま家にいたときにリクルートの電話をかけてきてくれた1学年上の先輩に感謝しないといけない。
彼はパワハラで辞めちゃったけど・・・💦
(2/16追記)
16日付の日経で、1990年対比の株価騰落率ランキングを掲載している。